バンパー修理(接着法)

 前回は熱を加えて補修する方法を紹介しましたが、この方法は熱を加えると融けるP.P.(ポリプロピレン)等の熱可塑性樹脂を使った物には適用できますが、一部のモデルに使われている熱を加えても融けない熱硬化性樹脂の物は補修出来ません。また、基本的には同じ材質で出来た溶接棒を使用し、適切な温度で溶接作業を行なわないと十分な強度が得られなかったり、熱を加える事によって周囲が変形して補修範囲が広がってしまう事も有ります。
 Sprexでは最初のうちは前回紹介した溶接法によるバンパー修理を行なっていましたが、この方法は上記の様な不安定要素が多い為、最終的には誰でも樹脂の材質にかかわらず比較的安定した強度が得られる方法として主剤と硬化剤の2つを混合するタイプの接着剤(主としてエポキシ系)を使用した接着法で修理していました。

 Sprexで日常的に使用していた接着剤(硬化後もある程度の柔軟性の有る主剤と硬化剤等量混合のエポキシ系)はDUKEというブラジルの小さな会社で製造されていた物で、次の画像はこの接着剤の日本の自研センターに相当するブラジルCESVIのお墨付きに相当する「技術評価合格証」です。
Cola parachoque Duke avaliacao CESVI
 こちらはブラジル国内で販売されていたアメリカの大手メーカーSherwin Williamsのブラジル法人製(左)とブラジル中堅メーカーMaxi Rubber製(右)の等量混合タイプの類似樹脂補修用接着剤。
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 こちらはウレタン系?の日本でもお馴染のSika製のネットを補強材として使用する樹脂補修用接着剤セット。
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 この製品の使用方法紹介動画はこちら

 類似のアメリカLord製(下)の物。(左のリンクから動画も見れます)。
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 下は3Mのボディのパネルボンディング用のオートミックスパネルボンド 8115というエポキシ系接着剤ですが、強力な接着力と柔軟性を持っている為に当時は強度を必要とする箇所の樹脂補修にも使用していました。
640.jpg 8115[1]
 なお、日本3Mのオートミックスシリーズからは樹脂補修用として次のウレタン系のプラスチックリペア セミリジッド 4240の他プラスチックパーツ補修システムとして数多くの樹脂補修関連製品が販売されています。
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 ところで、Sprex式の接着剤を使用したバンパー等の樹脂部品補修法ですが、これは以前に3回に分けて紹介しているのでこちらをご覧下さい。
2011/01/15 : オリジナル工具・設備 : 樹脂部品の補修
2011/04/25 : 補修実例 : こんな物で
2011/04/27 : 補修実例 : 樹脂バンパー
 こちらはSprex式樹脂部品補修法のトレーニングビデオ(日本語字幕版)。

 次のリンクからはSprex式樹脂部品補修法(pdf版1.15MB)のマニュアルがダウンロードできます。
樹脂部品補修専用接着剤による樹脂部品の補修

バンパー修理(溶接法)

 1990年代の頃はバンパー等の樹脂部品の小さな補修にはこの様なガスボンベ式の小型半田ごてや普通の電気半田ごてを使用し、興味半分に自分で破断部を融かして接合していました。
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 しかし、大きな補修は面倒だったので当時多く有った修理専門業者に外注、その専門業者の多くが使っていたのがこの様な大型の半田ごてでした。
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 当時はこの様な普通の半田ごてを使用し、専用溶接棒の代わりに同じ材質のスクラップ部品を細長く切った物を溶接棒として使うのが一般的でした。しかし、この様にして同じ様な材質の樹脂を使って破断部を融かして接合するだけでは破断前の強度を維持できるはずは無く、修理しても少し大きな力を加えると接合部が再破断してしまう事がしばしば有りました。

 最近では専用の溶接棒と、溶接結果を大きく左右する温度コントロール機能付のFiberFlexというこんな半田ごてタイプの修理キットがアメリカで市販されています。
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 必要に応じて加熱しながら溶接棒を融かし込む事も出来、平型と丸型の2種類の専用溶接棒が付属。
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 強度を必要とする箇所にはこんな金網を使って補強しています。
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 なお、この製品の使い方はこちらの動画で詳しく説明しています。

 裏側からの補強で一般的なのは波型のホッチキス針状の物を抵抗加熱して埋め込む方法。
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 半田ごて以外にはヒートガンを使った方法も有ります。専用のヒートガンが無くても、普通のヒートガンにこの様に熱風を絞るアダプターを取り付ければある程度の補修が出来ます。写真は有りませんが当時は適当な市販の絞りアダプターが無かったので自分で旋盤加工して作り、使用していました。
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 こちらは1990年代には市販されていて、ホンダでも樹脂部品補修用として指定されていた3M製の樹脂部品補修キット中の専用ヒートガン。
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 現在ではブラジル製(左上)も含め、数多くの専用ヒートガンが市販されています。
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 使い方はこの様に母材と溶接棒を同時に融かしながら接合していくのですが、この時に溶接棒を一定の角度に保ってくれるのが右のノズル先端に取り付けるアダプター。
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 3M製とブラジル製のいずれも使ったことが有りますが、母材と溶接棒の両方を同時に適温に加熱しないと満足な溶接強度が得られなかったり、母材を加熱し過ぎて周辺を変形させてしまったりと、最初はなかなか難しくて慣れが必要な方法でも有ります。
 
 次回は接着剤を使った補修方法を紹介します。




 




 




バフ目

 淡色系の車ではあまり気にならないのだが、濃色系の車で特に目立つのが直射日光下ではこの様に見え、
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室内でも強い光源を当てると同心円状の細かな傷の集まりとして浮き出て見えるのがバフ目。
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 日本ではオーロラマークとかホログラム模様と呼ばれ、カーディテーリングの盛んなブラジルでもMARCA DE BOINA(バフマーク)と呼ばれるこの細かな傷の原因は塗装面をポリッシュする時にどうしても発生する研磨剤(コンパウンド)によるものなのだが、ポリッシュ作業だけではそう簡単には消せない厄介なもの。Sprexでも以前の記事でも紹介した様にシングルポリッシャーをダブルアクション化したりして試行錯誤しましたが、黒色の車をポリッシュだけで効率良く仕上げる方法や研磨剤を見出せず、黒色車の最終仕上げにはSoft99のキズクリアーを日本から輸入して使用していた。

 ところで、先日紹介した第10回 国際オートアフターマーケットEXPO2012にはポリッシュだけでこのバフ目を消せるというポリッシャーを使って実演を行なっていたメーカーが2社。
 こちらがそのうちの1社であるケヰテックのポリッシャーのカタログ。裏面にはバフ目の原因とそれを消す(見えなくする)独自の方法の説明が詳しく書かれている。
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 実際に実演を見ても確かに効率良くバフ目を消していた。

 こちらはもう1社のシステムフォーのギアを使用して回転しながら強制的に遥動運動をさせる構造を持ったギアアクションポリッシャーのカタログ。
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 一方、ポリッシュ作業でバフ目の状態を確認するのに欠かせないのが強い光源を持つポリッシュ作業用ライト。左はは同じ会場で見かけた調色用にも使える研磨作業バフ目確認用投光器、右は以前にも紹介したSprexで調色用に開発、ポリッシュ作業にも使用していた太陽光ライト。灯体の形状こそ違うものの、150WのHID(メタルハライド)ランプ出力や転倒防止に錘を使う等(Sprexの物は重いトランスとスターターの電源部を入れた箱を錘として使用)形状もそっくり。
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 こちらは同じ研磨作業バフ目確認用投光器でも20Wの消費電力でハロゲン220〜280W以上の明るさを持ち、調色用には使えないものの最近流行のLEDを使用した少エネタイプ。
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DIY補修 (その4)

 前回はドア垂直面のぼかしを失敗した塗装作業を紹介しましたが、水平にして塗ったドアモールはほぼ満足できる仕上がり。そのドアモールの再組付に使用する為にホームセンターで買ってきたのがこちらのPPも接着できると書いてあった3M製の両面テープ。
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 そのままで幅が広すぎたので半分に切り、念の為に以前にも紹介した瞬間接着剤付属の難接着樹脂用プライマーを流用して接着力を上げる為に事前に綿棒で塗布。その後で貼り付けようとしたのだがうまく付かない、そこでドライアーで接着面を暖めながら何とか貼付。改めて説明書を読むと「テープ本来の接着力がでるまでに約1日かかります。」とあり、超強力だとしてもこのテープはこの様なある程度の初期接着力が必用とする使い方には不向きの様です。
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 ところで、飛んでる爺さんが紹介しているGAS Glass Primerを使えばこんなテープでも付くのかな?

 こちらはいつまでもドアをばらしたままにもしておけないので、塗装翌日にりあえず取外したドアモール、ドアレバーとドアミラーを取り付ける為にその周辺だけを軽くポリッシュし、ドアモールを取り付けた状態。右は使用した液体コンパウンドのセット。
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 部分的にポリッシュした後で全ての部品を取付けた状態。使用した塗料の説明にはポリッシュは自然乾燥では約1週間後とあるので、ポリッシュしていないドアとの色差は本格的なポリッシュで改善する事を期待してとりあえずこの日の作業は終了。写真で一見綺麗に見えるドア内側はまだプライマーが透けて見えるが、外からは見えないので結局そのまま。
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 塗装4日後、天気が良かったのとボカシ剤が垂れて失敗した部分がポリッシュでどうなるか気になったので、予定より少し早いが再塗装部とその両脇の部品をポリッシュし、洗車した後の状態がこちら。
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 飛んでる爺さんの工場に押しかけて行なった板金の仕上がりはまずまずだが、日陰で見る限り色差は殆ど改善されていない。

 日向では多少新旧塗装面の色差は少なく見えるものの、近くで見るとマイカの輝きが足らない状態。色合わせが出来ない市販スプレー缶塗料にしてはまずまずの出来かな。
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 写真では分からないが、ボカシ剤が垂れた部分のクリア塗料をポリッシュで削り取ってしまった為にパールマイカが一部露出して案の定ボカシ際が不自然になってしまった。でも、とりあえずみっともない状態ではなくなったと自分を言い聞かせ、もう少し暖かくなったら再度ボカシ塗装に挑戦する事にしてこのあたりで市販材料を使用した能書きばかり達者な元軽板金工のDIY補修を一旦終了。

 このDIY補修に主として使用したカーショップ等で市販している補修用品の詳細と使い方はこちら



Sprexのおすすめ動画

 前回紹介した動画投稿サイトYouTubeのSprexのチャンネルです。
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 投稿した動画は限定公開を含む約230本。
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 それらをジャンル別にまとめたのがこちらの再生リスト
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 今回はこの再生リストの内容と、それぞれのジャンルでおすすめの動画を紹介します。

Sprex自動車軽補修システム
 ブラジルで行なってきたSprexの軽補修システムを日本語(又は日本語字幕)で紹介しています。おすすめはシステム全体を紹介しているこちら。


Boeing 737-300 Flight
 前回紹介したジェット旅客機のコクピットから撮影した動画だけでなく、ウルトラライトプレーンやハンググライダーからの空中撮影動画ばかりを集めています。おすすめは以前の記事でも紹介したアマゾン河中流のマナウス市に有るブラジルホンダの2輪工場や雄大なアマゾン河上空を水陸両用のウルトラライトプレーンで飛行するこちら。


Honda SP Japan
 本田技研工業を辞めた後に最初の仕事として立ち上げたのがこのブラジル最初のホンダ4輪販売店であるSP Japanのサービス工場。以前にも紹介した「アイルトン・セナのNSX」という記事中の動画もここに含まれています。おすすめはメカニックを運転席に乗せたままエアーバックを作動させた「お馬鹿動画」としても人気なこちら。


Motos no Brasil ブラジルオートバイ事情
 ブラジルでの色々なバイクの使われ方を集めたもの。先日紹介したヘルメットカメラを使用して撮影した動画が数多く有ります。おすすめはヘルメットカメラを付けたまま転倒するシーンから始まるこちらの転倒特集。


Manual de Repintura Automotiva
 日本の自動車塗料会社の補修塗装テクニック動画をブラジルで使われているポルトガル語に吹き替えたもの。

Funilaria Rapida (Sprex Rapid Body Light Repair System)
 Sprexの軽板金システムの紹介やトレーニング等のポルトガル語のオリジナル動画。

 再生リストには無いものの、もう一つおすすめなのが幾つか製作した結婚式の動画の中でも限定公開中のこちら。知り合いの日系人家族の簡素な結婚式を、前半は娘を嫁に出す父親の心情を表現、後半はブラジルの典型的な一般庶民の陽気な披露宴の様子を紹介。日本のかしこまった祝儀袋に入ったお祝い金を渡す風習の代わりに、友人たちが新郎のネクタイを切って売って回る一方、新婦は靴を脱いで招待客の間を回りながら開けって広げにお金を集めるといったブラジルならではの楽しい風習が収録されています。









 
Translation(自動翻訳)
プロフィール

sprex

Author:sprex
軽補修は面白い!

 今の日本ではお金さえあればどんな工具でも手に入ります。でも、お金が無くてもチョットした工夫で身近な物を軽補修の工具に変身させる事が可能です。地球の裏側のブラジルで可能な限り低価格の軽補修システムを実務を通じて開発・販売をした時の記録です。

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